(朝鮮日報日本語版) 大学資金横領事件の被告、法廷で仮病?
朝鮮日報日本語版 2013年3月27日(水)10時47分配信
西南大学(全羅南道南原市)を舞台にした不正事件で起訴され、患者衣で公判に出廷した創立者、李洪河(イ・ホンハ)被告(75)が病気療養中を偽装するため、偽物の点滴を使用していた疑いが浮上した。
李被告は26日午後、光州地裁順天支部で開かれた第3回公判に患者衣姿で車椅子に乗って出廷した。今月19日の第2回公判と同じ姿だった。栄養剤と点滴液2種類につながった点滴チューブは李被告の右腕に刺さっていたが、輸液の滴が全く落ちていなかったという複数の証言が寄せられた。
西南大医学部の教授は「輸液をずっと見ていたが、一滴も落ちなかった」と述べ、点滴チューブをばんそうこうで止めていただけではないかと疑った。別の教授は「李理事長(被告)は糖尿病ではなく、普段から炭酸飲料を好み、『100歳まで生きる』と健康ぶりをアピールしていた。腕立て伏せも1分に数十回こなすほど健康だったため、健康異常は信じられない」と語った。李被告が法廷にいた10分間、記者も肉眼で観察したが、点滴液と栄養剤には全く動きが見られなかった。
今回の事件は、被告が学校費用1004億ウォン(約85億円)を横領したとされるもので、証人の女性(30)は「2007年3月から昨年10月中旬まで李被告が設立した全ての学校の資金支出業務を担当していた。横領事件が発覚すると、李被告から『(検察で)事実通りに話すな』と言われ、見返りに現金700万ウォン(約60万円)を渡された」と主張した。証人はまた「虚偽の供述を行う見返りとして受け取った現金は検察に全て証拠として提出した。李被告は普段から他人名義の携帯電話数台を使い、裏金をつくっていた」と証言した。
李被告は昨年11月30日、学校資金を横領した疑いで逮捕され、先月6日に血管拡張手術を受けるために保釈された。しかし、光州地裁は今月20日に李被告ら4人の保釈取り消しを決定し、李被告は大法院(最高裁に相当)に抗告していた。検察は「大法院の決定が下され次第、李被告を再勾留する方針だ」と説明した。