我孫子の市立中学内申書ミス:市教委、調査チーム発足へ 秋までに報告書 /千葉
毎日新聞 2013年3月29日(金)12時29分配信
◇事前開示の是非検討
白山中学校など我孫子市立中学校で100人以上の高校入試用調査書(内申書)に記載ミスが見つかった問題を受け、市教委は28日会見し、学識経験者を入れた調査チームを来月早々に発足すると発表した。原因究明と、内申書の一部の事前開示を含めた再発防止策の検討を行う。来年度の高校入試に間に合わせるため、秋ごろまでに報告書をまとめ、失墜した信頼の回復を目指すことにしている。【橋本利昭】
市教委によると、調査チームのメンバーは10人程度。学識経験者、市教委職員、現場の教師などで構成。報告書は教育委員で作る教育委員会議での承認を経て正式に決定される。
内申書の一部事前開示については、保護者などから「ミス防止に有効で開示するべきだ」との意見がある。しかし、専門家から「生徒側に責任を負わせるようなもの」「学校側の責任放棄だ」などの厳しい指摘があるほか、同市の学校関係者の間でも「高校入試という微妙な時期のうえ、生徒と教師の信頼関係に影響する可能性もある」と開示に否定的な意見が出ており、調査チームでは実施の是非を含めて慎重に検討していく方針だ。
また、ミスの原因は、白山中では、調査書作成に必要な指導要録の基になる「成績データ一覧表」で、2年になってから1年時の記録を一覧表にコピーした際、教科を取り違えた上、読み合わせの確認もしなかったためとみられる。
また、同じくミスが見つかった久寺家中の場合は、一覧表を2年時に作成する際、パソコンの誤操作で1年時の成績の入力ミスが起こり、確認もしなかったことが原因とみられている。調査チームでは両校について、さらに詳細に原因を究明する方針だ。
この問題では、同市立中2校で、調査書の記載ミスが発覚。白山中では、科目の点数のミスが114人、検定資格などの誤記載・記載漏れが8人、久寺家中では、点数の記載ミスが4人、資格の記載漏れが1人判明した。合否を再判定した人数は、白山中が公立高校の前後期試験を受験した延べ288人、久寺家中が2人。
27日付で県教委に再判定を依頼した久寺家中の1人は合否に影響はなく、両校からの再判定による合格者はゼロだった。
3月29日朝刊