(朝鮮日報日本語版) 校長・教頭の学位論文は盗用だらけ

(朝鮮日報日本語版) 校長・教頭の学位論文は盗用だらけ
朝鮮日報日本語版 2013年4月7日(日)9時43分配信

 首都圏一帯の高校の校長や教頭による論文盗用が相次いでいる実態が本紙の分析で明らかになった。ソウル市の外国語高校のA校長、江南区にある有名公立高校のB校長、私立高校のC教頭の学位論文の大半が他の研究者の学位論文や学術誌の内容を盗用したものだった。

 A校長は2008年に弘益大大学院に提出した教育関連の博士論文が、少なくとも2本が他の学位論文を盗用して構成したものだったことが分かった。少なくとも8ページはほぼ「コピー」と言ってもよいほど、文言を丸ごと盗用していた。A校長は盗用先の論文の独創的な解釈をあたかも自らの研究成果かのように仕立て上げていた。 B校長が09年に弘益大に提出した教育関連の博士論文も大半が盗用だった。B校長は国内の他の研究者による学位論文3本以上を組み合わせて論文を作成し、文中の語尾や単語を一部書き換えていた。

 C教頭は新羅大教育大学院に提出した修士論文で、少なくとも2本の論文とインターネット上に掲載されていた他人の文章を盗用した。C教頭は他の研究者の論文を引用するに当たって、引用であることを明示したのは一部だけで、大半は文言を全く変えず、脚注までそのまま盗用していた。また、古い論文の内容を自分の修士号取得の時期に合わせるため、論文の内容の時系列を書き換えていた。

 3人はいずれも本紙の電話取材に対し、「(教育現場で)現職として勤務しながら多忙な中で書いた論文だった。申し訳ない」という趣旨の説明を行った。

 3人の論文を読んだソウル大の教授は「論文を切り貼りするのは、丸ごと盗用するよりも悪質な行為だ」と指摘した。教育部(省に相当)の規定によると、教師が学位を取得すると、昇進で有利になる。教育部関係者は「学位を取得すれば、昇進で加点されるが、小数点単位で決まる昇進審査でその点数は大きな役割を果たす」と指摘した。ソウルのある私立学校教員は「公立では修士、博士号を取得すると昇進で大きな差が出る。私立でも学位があればアピールしやすいため、校長や教頭を務める上で有利な面がある」と語った。

 韓国教育開発院によると、全国の初等学校(小学校)、中学校、高等学校の教員46万1406人のうち、13万8094人(29.9%)が修士号取得者、4542人(0.9%)が博士号取得者だ。05年に比べ修士号、博士号を持つ教員は50%以上増えた。特に高校の教員では10人に4人が修士以上の学歴であることが分かった。

 明知大のカン・ギュヒョン教授は「教員が学問的な条件を満たす論文を書くのは現実的に困難で、教員評価制度を多層的、立体的に改善していく必要がある」と指摘した。

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