奈良・支援学級暴行:教諭不起訴 地検の事実認定受け、市教委が保護者に謝罪へ /奈良

奈良・支援学級暴行:教諭不起訴 地検の事実認定受け、市教委が保護者に謝罪へ /奈良
毎日新聞 2013年4月12日(金)13時41分配信

 ◇調査委設置 市長、対応の遅さ批判
 奈良市立小学校の特別支援学級で発達障害の男児(13)に暴力を振るったとされる元担任の男性教諭を起訴猶予処分とした奈良地検の判断を受け、同市教委は11日、これまでの「暴行はなかった」としてきた対応を一転し、事実関係を認めて保護者に謝罪する方針を明らかにした。保護者は「なぜこのような事件が起きたのか、はっきりさせてほしい」と調査を要望しており、改めて市教委の判断が問われる。【伊澤拓也、芝村侑美、釣田祐喜】
 関係者によると、地検は教諭の起訴を見送ったが、県警の送検内容は全て事実認定された。起訴されれば公判で被害者が証言する必要が生じることなどから、男児の心情を配慮したとみられる。
 事件を巡っては、当時の校長が発生から2カ月後の10年7月、「行きすぎた指導で、体罰や暴行はなかった」とする報告書を市教委に提出。保護者や目撃した他の教諭が「事実と違う」と訴えたが、市教委は「双方の言い分が違うが、学校が虚偽の報告をあげたという証拠がない」として校長と同様の見方を崩さなかった。
 送検内容の認定について市教委教職員課は取材に対し、「捜査の上での結論なので、事実と認めざるを得ない」と述べ、保護者に謝罪する意向を初めて示した。また、第三者による調査委員会の設置については「人選中で、速やかに設置する。再発防止策と事後の対応の是非を調査してほしい」とした。
 仲川げん市長は書類送検が判明した3月7日、調査委の設置を指示。1カ月余りを経た11日の定例記者会見で「ちょっとのんびりしすぎている」と市教委の対応を批判した。
 男児の母親(43)は「不起訴は悔しいが、事実認定をしてくれた点は評価したい。市教委は報告書がうそだったことを認めて、なぜ息子や家族が傷付けられなければならなかったのかをきちんと検証してもらいたい」と話した。
4月12日朝刊

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