長崎市立中野球部の体罰:市教委、双方の主張併記 生徒から事情聴取−−再調査報告 /長崎

長崎市立中野球部の体罰:市教委、双方の主張併記 生徒から事情聴取−−再調査報告 /長崎
毎日新聞 2013年4月16日(火)15時2分配信

 長崎市立中学の野球部顧問の男性教諭(27)からの体罰で一時不登校になった男子生徒(2年)の保護者が、学校側のてんまつ書を「体罰を『過小報告』している」と指摘した問題で、市教委が指示した再調査の結果が15日、臨時の教育委員会に報告された。被害生徒と教諭の主張が異なる11件について、双方の主張を併記する形で整理した。
 委員会終了後に取材に応じた学校教育課によると、指摘された体罰などは18件。生徒側と教諭らの証言が一致するものが7件、しないものが11件あったとした。また、18件については▽体罰8件▽不適切な指導・言動2件−−と判断。体罰を受けた生徒はほかに8人いたという。
 問題のてんまつ書は、教諭側の聞き取りを基に作製。生徒の太ももをたたいた行為を「1回こつんと軽くたたいた」とするなど、生徒側の主張より軽い表現をしている点があり生徒の保護者が「事実と異なる」と指摘。市教委が、再調査を学校に指示していた。市教委はこれまでの取材に「生徒が不登校になって本人から話が聞けず、加害教諭や部員からの聞き取りを基に報告した」と釈明。3月23日に初めて生徒本人から事情を聴いた。
 馬場豊子教育長は報道陣の取材に「被害者、保護者の意見を聞くのが鉄則。(報告の前に)保護者とのすり合わせをするべきだった」と述べた。【小畑英介】
 ◇「調査機関が必要」−−生徒保護者
 生徒の保護者は毎日新聞の取材に「生徒が抱いた学校、教師への不信感、心の傷は計り知れない。生徒や保護者の立場で、迅速、正当に調査をする機関が必要だ」と話した。
〔長崎版〕
4月16日朝刊

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