体罰:神戸市除く公立校の教師123人が 部活中が半数、水面下被害105人発覚−−県教委アンケ /兵庫
毎日新聞 4月25日(木)16時2分配信
県教委は24日、神戸市を除く県内の公立小中学校と高校で昨年度、生徒に体罰を加えた教師が123人にのぼったと発表した。文部科学省の指示で2月に生徒、保護者全員にアンケート調査したところ、把握していなかった105人の体罰が発覚。水面下で子どもたちが被害を受けている実態が浮き彫りになった。県教委は、生徒らが体罰などの情報を通報できる窓口を設けるなどの対策強化に乗り出す。
県教委によると、昨年度に確認した体罰教師数は▽小学校22人▽中学校80人▽高校21人。48人の教師が素手や物でたたくなどして、生徒に打撲などのけがを負わせていた。
中でも部活動での体罰が58人と半数近くを占め、では、女子バレー部の男性顧問が女子生徒の髪を引っ張って体を蹴るなどし、ろっ骨を折る重傷を負わせたケースもあった。
処分を受けながら、体罰を繰り返すケースも目立つ。尼崎市内の県立高校ではハンドボール部の男性顧問(44)が、男子部員の足を蹴るなどの体罰を繰り返した。県教委はこの教師を24日付で減給10分の1(6カ月)の懲戒処分にしたが、09年9月にも部員の股間を蹴って負傷させ、戒告処分を受けていた。学校側は今回の体罰で部活顧問を外したが「生徒の強い要望」を理由に、校長が今月復帰を許可したという。
聞き取りに「指導の範囲内だと思った」と話す教師も複数いたといい、県教委は今後、懲戒処分を受けた教職員に年4〜5回の防止研修の受講を義務づけるほか、生徒や保護者が電話で相談できる窓口を県立教育研修所などに設ける。【豊田将志】
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県教委は24日、教師や学校職員計6人を停職や減給などの懲戒処分にしたと発表した。窃盗や盗撮のほか、小中、高校の27〜52歳の教師4人が体罰行為をしたとしている。
〔神戸版〕
4月25日朝刊