上越の高3自殺:昨夏、自室で首つり 県教委、第三者委設置へ /新潟

上越の高3自殺:昨夏、自室で首つり 県教委、第三者委設置へ /新潟
毎日新聞 2013年5月3日(金)12時40分配信

 上越市の県立高田高校に通っていた男子生徒(当時17歳)が昨夏、部活動の指導を巡る学校への不信感を示唆する遺書を残して自殺していたことが分かった。2日に県庁で記者会見した父親(50)が明らかにした。父親は「息子の名誉を回復し、真相を究明したい」と訴えた。父親は以前から県教委に調査のための第三者委員会の設置を求めており、県教委は設置する方針。
 父親によると、男子生徒は3年生だった昨年8月1日未明、自室で首をつっているのが見つかった。7月下旬、所属していた運動部のマネジャーの仕事ぶりに関する不満をソーシャルネットに書き込んだことを理由に、部活の男性顧問に指導を受けたり、部員全員の前で謝罪させられたりしていた。
 生徒は同月31日にも再び顧問に呼び出され、約20分間1対1の指導を受けた。直後に友人に「おれ学校やめるわ」と漏らしたという。自殺したのはその日深夜とみられる。父親も「最後の指導の直後に様子が変わった」と話す。遺書には「何を言っても結局、最終的に悪いのは全部オレなんだ」と記されていた。
 県教委などによると、学校は教員や生徒に聞き取り調査をした上で、遺族に「自殺にはいろいろな要因があり、原因が特定できない」と説明。昨年9月、県教委に「学校事故報告書」を提出した。
 だが情報公開請求で報告書を読んだ父親は「『自責の念によって自殺した』と書かれてあり、納得できない。息子はできることをすべてやっていたのに、指導で追い詰められて自殺したはずだ」と批判。一方、県教委は「『自責の念』は推測される複数の原因の一つとして挙げた。原因と結論づけてはいない」と釈明する。
 生徒は、明るい性格で友人も多く、数学の教師になることを夢見ていたという。父親は「二度と同じことが起こってほしくない」と唇をかんだ。
 同高は「原因究明のためできるだけのことをしたが、納得いただけず残念」と話す。県教委高等学校教育課は「調査では体罰やいじめはなかった。適切な指導の範囲と考える。第三者委員会は対応が遅れて申し訳ない。早急に設置したい」としている。【山本愛】
5月3日朝刊

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