「市教育委員の連携不足」 大津いじめ、報告書公表
京都新聞 2013年5月22日(水)23時29分配信
大津市で2011年10月、いじめを受けていた中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、当時の大津市教育委員会の教育委員4人が、教育委員としての反省点などをまとめた報告書が22日、大津市のホームページで公表された。「いじめを見つけられず、適切に解決できなかったことは、申し訳なく残念」と総括した上で、「情報共有と連携の不足」「透明性の確保と個人情報の取り扱いの難しさ」を問題点として挙げている。
報告書のタイトルは「教育委員の振り返りと今後の対策〜大津市立中学生のいじめ事件を受けて」。教育委員としての対応を反省し、課題を今後の対策に生かすため、今年3月に取りまとめて富田眞教育長に提出した。
報告書では、一昨年10月から昨年2月にかけて、市教委事務局から受けた報告や、その時の委員の判断や思い、反省点を記載。その上で「事件発生後は、市教委事務局からの報告を待つことに終始し、すぐに会議を開催しなかった」と振り返り、委員が主導して迅速に会議を開くべきだったとしている。
また、「個人情報保護を最優先したために、教育委員が、市民の方に発信する場である定例会で質疑を控えたことは間違いだった」と記述。個人情報に配慮しながらも、積極的に教育委員としての意見を述べるべきだったとしている。
今後のいじめ対策として、学校での道徳教育の充実や子育て環境の整備、いじめを含めた相談窓口の一本化、問題発生時の国や県からの専門家派遣などを提言している。