<淫行条例>全国唯一の処罰規定なし長野県、専門委で制定も視野に

<淫行条例>全国唯一の処罰規定なし長野県、専門委で制定も視野に
毎日新聞 2013年5月25日(土)18時2分配信

 長野県の「子どもを性被害等から守る専門委員会」の初会合を前に、阿部守一知事は24日の定例記者会見で「規制も排除せず、広い視野で検討する」と言及した。長野県は47都道府県で唯一、18歳未満とのみだらな行為を禁じた「淫行(いんこう)処罰規定」のある条例を持たないが、専門委では、処罰規定のある条例の制定も視野に入れて検討する見通しを示した。

 専門委は学識者や学校関係者、医療関係者など15人で構成。31日の初会合で論点を整理するが、県次世代サポート課によると、その中に「法的規制の必要性」も加える方針という。会合を5回開き、年内にも知事に検討結果を報告する。阿部知事は会見で「社会環境の変化に対応する幅広い視点で理論構築をしたい」と述べた。

 淫行処罰規定を巡っては、県内で唯一、同規定がある条例を持つで昨年3〜4月、教え子にみだらな行為をしたとして男性教諭2人が逮捕され、罰金刑が確定した。阿部知事は当初、「これまでの地域の取り組みの成果を評価し、尊重していきたい」と条例制定に否定的だったが、昨年6月の定例県議会で佐々木真郎・県警本部長が「条例がないために摘発できなかった事例が散見される」と答弁。条例制定の必要性について議論が活発化した。

 同課によると、昨年7〜9月に県が実施した保護者や教育関係者など36団体・個人への聞き取り調査で、約半数が「処罰規定を設けるべきだ」と回答。県幹部によると、報告を受けた阿部知事は従来の方針を転換し、条例制定も含めた検討を始めたという。【小田中大】

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