<臨床試験問題>降圧剤製造・販売元に厚労省が厳重注意

<臨床試験問題>降圧剤製造・販売元に厚労省が厳重注意
毎日新聞 2013年5月28日(火)11時49分配信

 降圧剤「バルサルタン」をめぐる臨床試験問題で厚生労働省は27日、製造・販売元の「ノバルティスファーマ」に対し、口頭で厳重注意した。この問題で国が行政指導したのは初めて。

 同省は、京都府立医大や東京慈恵会医大など5大学での臨床試験の統計に関わったノ社の社員(すでに退職)が、社名でなく、当時所属していた大阪市立大非常勤講師の肩書で論文に名を連ねていた点を問題視。「信頼を揺るがし、業界に与える影響が大きい」(経済課)として、ノ社に再発防止策を要求。専門家から論文不正の疑いも指摘されているため、問題の全体像の検証を求めた。

 ノ社は28日、「極めて深刻に受け止めており、引き続き調査を進めたい」と話した。

 この問題をめぐっては田村憲久厚労相が24日の閣議後記者会見で「強く指導せざるを得ない」と述べ、行政指導を示唆。日本医学会も同日、「許し難い行為」と強く非難していた。【八田浩輔、河内敏康】

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