懲戒処分は原則公表 長野県教委 ガイドライン案決定
産経新聞 2013年5月29日(水)7時55分配信
教職員による不祥事の公表のあり方を議論してきた県教育委員会の公表ガイドライン検討会議は27日、県庁で会合を開き、不祥事が起きた際の公表の基準となるガイドライン案を決めた。現行の規定にはない懲戒処分前の公表を新たに盛り込み、30日の県教委定例会で正式決定する予定。教職員による不祥事が連続する中で、不祥事の公表のあり方をめぐり揺れてきた県教委の公表基準がようやく定まることになる。
したことを受け、県教委は今年1月、教職員に対する「懲戒処分等の指針」を改定。わいせつ事件などは被害者側の求めに応じ、処分自体を非公表にできるとした。しかし「不祥事隠しにつながる」などと各方面から批判が噴出。県教委は不祥事が発生した際の公表ガイドラインの作成を決め、3月から有識者ら4人で構成する検討会議を設けて作業を進めてきた。
公表ガイドライン案は、懲戒処分を決定した際などに「速やかに公表する」と規定。処分自体を非公表にできる−とした規定は盛り込まず、公表を原則とした。また、児童生徒へのわいせつな行為や体罰、飲酒運転など重大な不祥事については、懲戒処分前であっても県教委が確認した時点で公表する。
処分前公表にあたっては、公表内容を教職員が所属する学校の種類、年齢、性別などに限り、個人の特定は避けるが、逮捕や起訴により教職員氏名がすでに公になっている場合は、県教委が事態を確認した上で氏名や学校名も公表するとした。
公表ガイドラインが正式決定されれば、「懲戒処分等の指針」にある公表基準の項目は削除される。検討会議座長の又坂常人信州大大学院法曹法務研究科長は「ガイドラインにより、多少は教育行政の透明度が高まるのではないかと期待している。説明責任を全うする態勢が整ったと思う」と話している。