研修受け入れ学校は「夏休み」 県議会26日に採決 鹿児島・上海研修旅行問題

研修受け入れ学校は「夏休み」 県議会26日に採決 鹿児島・上海研修旅行問題
産経新聞 2013年6月25日(火)22時16分配信

 鹿児島空港と上海を結ぶ定期路線存続を理由に、鹿児島県が職員の上海研修事業費として1億1800万円を補正予算案に計上した問題で、県議会は26日に総務、文教警察両委員会で予算案を採決する。24日の県議会で研修先の上海の学校が夏休み中であるなど、計画のでたらめさが改めて浮かび上がったが、県側は派遣職員数をさらに削減する案を出し、実現に固執している。(谷田智恒)

 予算案を集中審議する県議会連合審査会は24日、中断を挟みながら、11時間以上、議論をした。

 議論の中で県教委側は、教職員の派遣実施時期を学校の夏休み中に調整していることを示した。これに対し、県議の柳誠子氏(県民連合)は「中国の受け入れ先も夏季休暇中ではないのか」と問いただした。県教委側は「中国も夏休み中だが先生は勤務し、意見交換はできる。補習している学校もある」と述べた。

 また、すべて公費で負担する3泊4日の研修旅行中に、計1万5200円の日当が支払われることも判明した。

 連合審査会で布袋嘉之副知事は「民間の需要が見込まれるなら、利用状況を見て柔軟かつ弾力的に予算執行する」と、研修に派遣する県職員数をさらに減らす案を表明した。

 鹿児島県職員の上海研修は、中国東方航空などが運航する鹿児島−上海線の空路維持を目的に、県職員千人が3泊4日で上海の港湾施設などを視察する計画。総額1億1800万円、1人約12万円の旅費を全額公費で賄うとの発表に批判が相次ぎ、県は300人程度を民間人とする案に修正した。

 県議会は、予算案を26日の総務、文教警察両委員会を経て、28日の本会議で採決する。成否を左右する県議会最大会派の自民党県議団内は、意見が分かれている。

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