<広島・廿日市中3女子自殺>いじめ証言 学校が「口止め」

<広島・廿日市中3女子自殺>いじめ証言 学校が「口止め」
毎日新聞 2013年9月10日(火)7時10分配信

 広島県廿日市市立中学校3年の女子生徒(14)が自殺した問題で、同じ運動部の2年生が女子生徒の自殺直後に、部活動内でいじめがあったことを顧問に伝えたが、学校と市教委が保護者に「うわさを広げないで」と口止めととられかねない電話をしていたことが9日、市教委などへの取材で分かった。市教委は「情報が独り歩きしないようにするためだった」と説明。ただ、その後、市教委が設置した調査委員会はいじめがあったことを認めている。

 女子生徒は5月8日に死亡した。直後の13日に2年生12人が放課後、顧問ら教諭2人に「女子生徒の同級生が無視したり、きつい言葉を言っていた」「女子生徒が同級生とけんかした際、他の同級生が相手の味方につき、女子生徒を孤立させた」などと訴えたという。

 学校は同日夜、市教委と作成した文案を基に2年生の保護者に対し「うわさが広がると、うわさと事実が混乱し、生徒のアンケートや聞き取り結果が正しく出ないことも想定される」「調査委員会の結果が出るまではあちこちに広げないようにしてほしいと(生徒に)話してほしい」などと電話したという。

 ある保護者は「口止めだと思った。子供たちはことを荒立てようとしたわけではなく、勇気を振り絞って証言したことを分かってほしかった」と話した。市教委は「誤解を与えたのであれば検証したい」としている。【高橋咲子】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする