補助金455万円を他人名義で不正受給 県立医大、教授を停職1カ月

補助金455万円を他人名義で不正受給 県立医大、教授を停職1カ月
紀伊民報 2013年10月2日(水)17時1分配信

 和歌山県立医大は1日、研究に関わっていない学外の病院に勤務する男性医師の名義を無断で使って、3年間で科学研究費補助金455万円を不正に受給したとして、医学部の男性教授(63)を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。教授は補助金を全額返還するという。

 不正受給したのは日本学術振興会の補助金で、2010年度208万円、11年度156万円、12年度91万円。大学は今年4月に学外からの通報を受け、不正調査委員会を設置して調べていた。

 教授は頭頸部(けいぶ)がんの研究費用のため、男性医師を勝手に代表者にし、電子申請システムに男性医師のIDやパスワードを入力し、補助金に応募。書類に印鑑が必要な場合も無断で押したという。

 男性医師はかつて、教授と同じ研究室に在籍する元部下だが、3年間まったく研究に関わらなかった。科学研究費補助金については、原則1人1件の申請に限られるが、教授はすでに別の研究で申請していた。

 経理事務は大学が担当しており、私的流用や目的外使用はなかった。大学の西上邦雄副理事長は「不祥事を引き起こしたことに対し、県民や関係者に深くおわび申し上げます」と謝罪。ほかに不正がないか全学を対象に調査するという。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする