氷見でまた給食に異物 窪小で「ねじくぎ」、市内3度目
北日本新聞 2013年10月11日(金)7時23分配信
氷見市教育委員会は10日、市学校給食センターが同日配食した窪小学校の給食のミートソースに、長さ約5センチのねじくぎ1本が混入していたと発表した。6年女子児童が食べかけの器の底で見つけ、被害はなかった。原因は不明。9月中旬以降、同市の小学校の給食から異物が見つかったのは3度目。市教委は同日、氷見署に届け出た。
市教委と同センターによると、ミートソースは同センターが調理し、一緒に食べるソフト麺は業者が納入した。見つかったねじくぎは、建築現場で石こうや木材を留めるために使われるタイプ。同種のねじくぎは同センターの厨房機器に使われていない上、同センターは9月中旬以降、チェック態勢を強化しており「調理中の混入は考えられない」としている。ソフト麺についても、業者は金属探知機に通し、異常がないことを確認してから納品している。
女子児童のクラスではこの日、担任教諭がミートソースを入れた容器の運搬を途中から手伝った。配膳中は担任が近くにおり、皿に盛りつけた児童もねじくぎに気付かなかったという。
チェック態勢を再確認するため同センターは11日の調理業務を休み、学校給食は業者の簡易給食に切り替える。市は同日、臨時教育委員会を開き、調査委員会を発足する。
同センターは市内18小中学校のうち、窪小や比美乃江小など9小学校、1中学校に配食している。比美乃江小では9月18日、同センターの野菜裁断機から外れた六角ナット1個が給食の肉じゃがに混入した。今月4日には、長さ9ミリのねじがすいとん汁に入っていたが、混入の経緯は明らかになっていない。
■「大変な心配と迷惑」と陳謝
「念入りにチェックしているのだが…」。10日、氷見市教育文化センターで開かれた記者会見で、市学校給食センターの泊所長は相次ぐ異物混入に疲れた様子で話した。会見には前辻市教育長、林、加野の両市教育次長、泊所長の4人が出席。冒頭、前辻市教育長が「児童や生徒、保護者、関係者に大変な心配と迷惑をおかけした」と陳謝した。
9月18日の最初の異物混入は、野菜裁断機のナットが外れる同センターのミスだった。その後、チェック態勢を強化したが、今月4日に再び発生。原因を特定できないまま、3度目が発生した。
10日に警察に届け出たのは、原因究明に行き詰まったためだ。4日に混入していたねじは、市教委や同センター職員がホームセンターや電気店などを回り、市販品でないことが判明。同センターや業者での混入は考えられず、学校への聞き取りでも疑わしい点はないという。会見で、2度目と3度目の異物混入の経緯を尋ねられた林市教育次長は「分からない」を繰り返した。前辻市教育長は「センターのチェック態勢が万全だと確認できなければ、調理業務は再開できない」と述べた。
県内の学校給食への異物混入は9月以降、氷見市の3件のほか、富山市の小学校でも発生。1カ月に4件が相次ぐ「異常事態」に、県教委スポーツ・保健課は「大変困惑している。原因がはっきりしないものが多く、調査の行方を見守りたい」としている。