「愛を語る007のように」セクハラの大阪市公募校長、仰天釈明

「愛を語る007のように」セクハラの大阪市公募校長、仰天釈明
産経新聞 2013年10月23日(水)15時19分配信

 大阪市立小学校の民間出身の男性校長(59)が保護者らへのセクハラ行為で更迭された問題で、校長の学校復帰の可否が、近く開かれる市教委の教育委員会議で判断される。議論に影響を与える事務方の見解のとりまとめも最終段階に入っているが、内部からは「校長として不適格」「復帰は阻止したい」などと厳しい意見が相次ぐ。根拠の一つは、校長が提出した顛末(てんまつ)書。校長は自身の行為をスパイ映画「007」になぞらえ、保護者から情報を得るために「愛情表現を語る007の様(よう)な行動」をしたと釈明していた。

 ◆女スパイ呼ばわり

 22日午後、校長は市役所内で教育委員と面談した。校長は約1カ月間にわたってセクハラに関する研修を受け、校長OBからも指導を仰いできた。研修を振り返るなどした資料を持参し、面談は中断を挟み2時間以上に及んだ。

 関係者によると、校長は研修を通じて反省の思いを示したとされる。だが、事務方の一人は「(研修前に書かれた)顛末書の内容がひどい。校長に就く人材が書いたとは思えない」と眉をひそめる。

 〈私は(市教委の)事情聴取の際に、「007の様な行動」をしてしまいました。と報告致しました〉

 産経新聞が情報公開請求で入手した顛末書は、8月19、21、26、28日付と9月2日付の5通。A4判で計27ページにわたり、ほとんどが手書きで記されている。枚数が進むにつれて文字は乱れ、誤字や脱字もあった。

 〈女性スパイに対して、情報が入って来るように愛情表現で語りかけ気を引き成果を上げる〉

 校長は保護者に「僕と会えなかったら寂しい?」などとメールを送ったことについて、自らを「007」の主人公に重ね合わせながら振り返った。メールの目的は学校に関する情報を得るためだったとし、体の接触についてもセクハラの意図はなかったとした。

 ◆「無神経」反省も

 一方で、メールを繰り返し送ったことについては〈一般社会に暮らしておられる方に、本当に行き過ぎた自分勝手な無神経な行為であった〉と反省。その上で決意の言葉をつづった。

 〈校長として、公務員として、この経験を戒めを、業務に活(い)かして行きたい〉

 近く開かれる教育委員会議では、面談の結果や事務方の見解に基づいて議論され、復帰の可否が判断される。校長は市教委の公募で任期3年の校長職として採用されており、他の職務には就けない。復帰が認められない場合、自主的な退職を勧めていく見通しだ。

 橋下徹市長は9月下旬、「研修で適格性を見極め、不適格なら分限対象」と述べ、分限免職処分の可能性にふれた。市議会からは現場復帰に反対する声が相次ぎ、厳格な処分を求める決議が可決されている。市教委幹部は「現場復帰したら赴任先の学校で保護者が猛反発する。何としても復帰は阻止しなければいけない」と語気を強めた。

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