(朝鮮日報日本語版) SAT:既出問題を盗撮・暗記し転売、予備校人気講師ら起訴
朝鮮日報日本語版 2013年11月18日(月)10時36分配信
米国の大学進学適性試験(SAT)で、既出問題を不正に入手して講義に利用していた予備校関係者や、問題を不正に流出させたブローカーが多数起訴された。
ソウル中央地検先端犯罪捜査第1部(キム・ヨンムン部長)は17日、不正に入手したSATの既出問題を講義に使った講師の男(28)らソウル市江南区のSAT予備校12校の経営者・講師14人と、SAT既出問題を売買したブローカー7人の計21人を在宅起訴したほか、元ブローカーで現在は入隊している男1人について軍検察に文書で通知したことを明らかにした。
「親が子どものSAT予備校を選ぶ際に最も重視する基準は、既出問題を持っているかどうかだ」といわれるほど、韓国社会の著作権に対する認識は低かったが、今回のSAT既出問題流出事件の捜査が著作権と公正な競争に対する認識向上につながるどうか注目される。
検察によると、予備校経営者や講師たちは学生アルバイトを雇ってSATを受験させ、問題を覚えさせて後から聞き取ったり、インターネット上で既出問題を買ったりするなどしてSAT既出問題を確保、講義に使用した。ある学校経営者は昨年3月、グアムで行われたSAT試験会場に小型カメラを持ち込み、問題を撮影しようとして摘発された。
ブローカーたちは入手した既出問題を予備校講師や別のブローカーなどに1問当たり2万−30万ウォン(約1900−2万8000円)で売っていたことも分かった。ブローカーの男(22)はインターネットなどで入手した既出問題を合計358回にわたり転売し、2億2000万ウォン(約2100万円)を手にしていた。
一方、韓国と米国の時差を利用し、自身が運営するインターネット掲示板に米国で行われる予定だったSATの解答を事前に掲載した疑いで起訴されたものの、今年3月の一審で無罪が言い渡された人気講師のジェフリー・ソン講師(42)は、著作権違反の疑いで在宅起訴された。
SATは一定量の問題を作成し定期的に再使用する方式で出題されており、既出問題は公開が禁止されている。一部の問題はSATの主管会社である米国ETSが認める経路を通じて購入することができるが、この場合も問題を複製・配布したり、講義に使用したりすることは禁じられている。
検察は、一部SAT予備校が問題を不正に流通させ、これを狙ったブローカーも活動しているという情報を入手、今年2月に予備校12校を家宅捜索した。その後も9カ月間で予備校14校や関係者の自宅など合計44カ所を家宅捜索して捜査を進めてきた。