(朝鮮日報日本語版) 韓国の法学部教授「脱北者は全員死刑にすべき」

(朝鮮日報日本語版) 韓国の法学部教授「脱北者は全員死刑にすべき」 
朝鮮日報日本語版 2013年11月28日(木)11時29分配信

 大邱大学法学部のユン・ジェマン教授(60)が、カカオトーク(スマートフォン向け無料チャット・通話アプリ)の公開掲示板に「脱北者どもを死刑にすべきだ」と書き込み、物議を醸している。政界の一部や脱北者団体は27日、ユン教授の謝罪や辞職を求めた。

 ユン教授は今月25日、カカオトークの公開掲示板に「親日民族裏切り集団に盗まれた自由民主主義を取り戻せたら、まず最初にやるべきことは、親日民族裏切り集団にくっついて、この国の自由民主主義をだめにした脱北者のやつらを厳罰に処すことだ。自由民主主義の破壊に加担した脱北者のやつらは、ナチスへの協力者を死刑にしたフランスのように、全員死刑にすべきだ。はっきりいって、この脱北者のやつらは、親日民族裏切り集団よりも憎い」と書き込んだ。

 脱北者で国会議員になった与党セヌリ党の趙明哲(チョ・ミョンチョル)議員は27日、国会で記者会見を行い「脱北者を裏切り者だと考え、処刑したいという人は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記とその追従者だけだ。ユン教授は直ちに謝罪し、教授の職を辞するべきだ」と述べた。また、趙議員はこの日、ユン教授が虚偽の事実を示し、脱北者たちの名誉を傷つけたとして、ソウル中央地検に告訴状を提出した。

 一方、同党の河泰慶(ハ・テギョン)議員も報道資料を発表し「ユン教授は20年にわたって大学で憲法を教えてきた者として、自ら考える憲法的な価値とは何なのかをはっきりと述べ、また大邱大学は責任ある措置を講じるべきだ」と主張した。脱北者団体のNK知識人連帯も声明文で「同胞である脱北者たちを全員銃殺したいなどという、殺人の欲望に駆られたユン・ジェマン教授の妄言に対し、2万6000人の脱北者の名で処罰したい」と述べた。

 騒ぎが大きくなったのを受け、ユン教授は27日、ポータルサイト「ダウム」の掲示板「アゴラ」に「脱北者の死刑の報道は、大統領選での不正を隠すためのうその報道だ」というタイトルの書き込みを寄せた。この中でユン教授は「問題のカカオトークの掲示板には、大統領選での不正を糾弾する人たちを『従北(北朝鮮に追従する)』『アカ』などとののしる脱北者たちが多くいる。そのやり方があまりにも執拗(しつよう)で低質なため、単にその脱北者たちに対し、選挙制度という自由民主的な基本秩序を破壊する行為をやめるよう、強く警告する観点から(問題の文章を)書き込んだだけだ」と説明した。

 その上でユン教授は「これまで明らかになった証拠だけでも、大統領選で不正が行われたことは明らかなのに、これを隠すために、大統領選での不正を糾弾する人たちを『従北』だの『アカ』だのという人たちは、脱北者であるか否かである以前に、自由民主的な基本秩序を破壊する自由民主主義の敵だ」とも主張した。

 ユン教授は27日、本紙の電話取材に対し「私はクリスチャンであり、政治的な動機は全くない。ただ、脱北者たちがある機関から指示を受け、大統領選での不正を指摘する人たちを中傷するのは間違っているという観点から指摘したにすぎない」と語った。その上で「カカオトークで多少激しい表現を用いたことは過失だったと思う」と付け加えた。

 趙明哲議員による名誉毀損(きそん)容疑での告訴については「私の表現に、特定の人の名誉を傷つける内容は含まれていないため、(告訴は)理屈に合わない。名誉を傷つけられたのはむしろ私自身だ」と主張した。また「あの掲示板は『よい出会い』をテーマにしたものだと把握している。知人から招待を受けて掲示板にアクセスし、討論をした」と語った。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする