NHKの敗訴番組 教材に台湾修学旅行 埼玉県立高、訂正授業実施へ

NHKの敗訴番組 教材に台湾修学旅行 埼玉県立高、訂正授業実施へ
産経新聞 2013年12月6日(金)17時0分配信

 差別的な表現で台湾の先住民の名誉を傷つけたとして、東京高裁がNHKに賠償を命じた番組を、埼玉県立朝霞高校の生徒が昨年と一昨年、台湾への修学旅行の事前学習として視聴していたことが関係者の話で分かった。担当教諭は「負の側面を持つ歴史からも学ぶことはある」などとしていたが、NHKの敗訴で、同校は生徒らにフォロー授業を行うという。(安岡一成)

 問題の番組は平成21年4月に放送されたこの中で、台湾の先住民パイワン族の生活状況が「人間動物園」と表現され名誉を傷つけられたとして、同族や視聴者らがNHKに損害賠償を求めていた。

 東京高裁は11月の控訴審判決で、番組の取材を受けた同族の女性の名誉を傷つけたと認定。「日本に対して好意的な台湾の人たちに不快な気持ちを生じさせた」などとも指摘した。

 県立朝霞高校によると、同校では平成23、24年の修学旅行を台湾で実施し、事前学習としてこの番組を視聴した。その様子は担当教諭によって雑誌にも掲載され、それによると、「(日本の植民地支配の実態を突きつけられて)台湾に行くのが怖くなった」と訴える生徒もいたという。

 担当教諭は「未来に過ちを繰り返さないためにも、負の側面を持つ歴史からも学ぶことはたくさんある」などと説明。参考資料として「台湾が親日なのは戦前の日本統治に好意を持っているからではなく、それを反省し、平和主義を掲げるようになった日本への信頼からきている」などとした文章を配布した。また、現地の金鉱のあった町の語り部は、「ここの金(きん)は残らず本土に持っていかれた」などと語ったという。

 産経新聞の取材に、同校も5日、これらの教育内容を認めている。その上で同校は「担当教諭は日本史や世界史の時間に、早急に訂正を含めて改めて指導することを約束している。きちんと対処するはずだ」と話した。

 一方、一連の経緯を県議会の一部会派も把握し、問題視している。「親日の人が多い台湾への修学旅行すら自虐史観教育に利用している」などとして、開会中の今議会で教育委員会をただす構えだ。

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