<いじめ>認知件数20万件に迫る 前年度の3倍で過去最多

<いじめ>認知件数20万件に迫る 前年度の3倍で過去最多
毎日新聞 2013年12月10日(火)20時56分配信

 ◇学校の割合も過去最多の57.3%

 2012年度に全国の国公私立小中高校、特別支援学校で認知されたいじめの件数が前年度の約3倍に当たる19万8108件で、1985年度の調査開始以来最多となったことが、10日発表された文部科学省の「問題行動調査」で分かった。いじめを認知した学校の割合も過去最高の57.3%で、6年ぶりに半数を超えた。文科省は、アンケートの拡充や小さないじめも見逃さない教職員の意識改革が掘り起こしにつながったとして「いじめ20万件時代」へ積極的対応を目指す。【福田隆】

 いじめの11年度の認知件数は7万231件だった。大津市の中2男子自殺問題を受けて昨年実施された緊急調査で、12年度上半期が特に約14万4000件と急増。文科省は、実態把握が各地で進んだとみている。

 12年度1年間の1000人当たりの認知件数は14.3件(11年度は5.0件)で、そのうち913件で警察に相談・通報した。学校別では、小学校11万7383件(同3万3124件)▽中学校6万3634件(同3万749件)▽高校1万6274件(同6020件)▽特別支援学校817件(同338件)。1000人当たりで見ると、小学校が前年度の4.8件から17.4件に大幅に増えた。

 都道府県別では、最多が鹿児島県の3万2167件(1000人当たり166.1件)、最少は佐賀県の207件(同2件)。文科省は「いじめ自体の増加ではなく、いじめに敏感になったため掘り起こされた件数。都道府県別の件数差は取り組み方法の違い」としている。

 ◇最も多い「冷やかしやからかい」 6割台にも

 いじめの態様は各校とも「冷やかしやからかい」が6割台で最も多く、「仲間はずれ・無視」「軽くぶつ」が約2割で続いた。「ひどくぶつ」「金品を隠す・盗む」「危険強要」も約1割あった。パソコンや携帯電話を用いたいじめは7855件で、前年度の2992件から急増したが、全体に占める比率ではほぼ横ばい(12年度4.0%、11年度4.3%)だった。

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