都教委も仰天、AV女優だったエリート先生

都教委も仰天、AV女優だったエリート先生
産経新聞 2013年12月8日(日)21時16分配信

 AV女優「真木麗子」は小学校の音楽教師だった−。無修正のアダルトビデオに出演したとして、東京都世田谷区の小学校に勤務する音楽科の女性講師(27)が逮捕され、教育関係者の間に衝撃が走り、インターネットでも一時“祭り”状態になった。面倒見のいい音楽の先生として生徒から慕われる一方、2つの名前を使い分けてAV作品に出演。名門・東京芸術大音楽学部を卒業した音楽界のエリートの素顔とは−。

■テレビ出演、オペラ歌手、華やかな経歴の裏で

 女性講師は先月30日、無修整であることを知った上でわいせつ動画に出演したとして、わいせつ電磁的記録記録媒体頒布幇助(ほうじょ)の疑いで、静岡県警に逮捕された。

 関係者や勤務先の音楽教室のプロフィルなどによると、女性講師は横浜市在住で、幼い頃から児童合唱団に所属し、テレビやラジオへの出演や、ソプラノのオペラ歌手など広い分野で活躍、AV女優のイメージとはほど遠い華やかな経歴。現在は、非常勤講師として、世田谷区内の複数の小学校で音楽の授業を受け持っているという。

 都教育委員会によると、女性講師の勤務態度は良く「教育熱心で、生徒一人一人に個別指導を行うなど丁寧に授業をしていた。コミュニケーション能力も高く、周りの教員とも仲良くやっていた」と周囲の評価も上々だったという。都教委は「普通、こういう場合は事前に警察から連絡が入るものだが、今回は報道を見て初めて知ったのでびっくり仰天だった」と驚きを隠さない。

■低額出演料の“その他”女優

 捜査関係者によると、女性講師は、中堅のAVプロダクションに所属。「純野静流」名で“表”のAV作品に出演する一方、有料の会員制無修整動画サイト「人妻斬り」に「真木麗子」として出演し、動画がインターネット配信されていたという。同サイトには、サンプル動画や裸の写真が掲載されており、「真木麗子」については「白い美肌とボリューミーなカラダつきがセクシーな若妻」と紹介されていた。

 AV業界の事情に詳しい関係者の話によると、出演料の相場は、人気女優の場合で1本100万〜200万、その他の女優は一本わずか3〜5万円ほどで、「男優と同じくらいの出演料。お小遣い程度だ」と話す。女性講師も“その他”に含まれていたとみられ、これまでに複数の作品に出演していたとみられる。

 そもそもなぜ県警は逮捕に踏み切ったのか。捜査関係者の話によると、県内で今年1月ごろ、無修正DVDと知らずに出演させられた20代女性が被害を訴えたのがきっかけ。県警では、女性への聞き取りなどからAV制作者を割り出した。その後、内偵捜査を続け、都内の喫茶店で女性講師が「無修整でインターネットに流れる」との一文が入った同意書にサインするのを確認。10月に制作者を逮捕し、動画と同意書の両方を抑えたことから女性講師の逮捕に踏み切ったという。

■生活苦か、ストレスか

 AV出演の動機については、現在も取り調べ中で詳しいことは分かっていない。ある県警幹部は「カネか男のどちらからだろう。人間の欲望は無限大。好奇心で始めたのかもしれない」と話す。都内の小学校に務める男性教諭(34)は、「非常勤講師の給料は、20万円いけばいい方。生活苦か、それとも学校は閉ざされた社会なのでストレスがたまっていたのでは」と推測している。

 ネット上では、小学校講師のAV出演で“祭り”状態に。「AVに芸術性を感じたのでは」、「音楽講師だけじゃ食えないんだろう。水商売というのはよくある話」などさまざまな憶測が飛んでいる。

 都教委職員課は今回のAV騒動を受け「本人から事実関係を聞いた上で、出演が事実であれば厳正に対処する」とコメント。女性講師が勤めていた学校側は「コメントは一切差し控える」と沈黙を貫くが、近く保護者会を開き事情を説明をする予定だという。

 現在、県内で勾留中の女性講師は容疑について「間違いありません」と認めている。取り調べに対しては、取り乱す様子もなく淡々と答えているというが、その胸中にはどんな思いがあるのだろうか。

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