当時の同級生を書類送検 浜松・中2転落死
@S[アットエス] by 静岡新聞 2014年1月15日(水)14時35分配信
浜松市の中学2年の男子生徒=当時(13)=が2012年6月に自宅マンションの屋上から転落死した問題で、浜松中央署と県警少年課は15日、暴力行為法違反や器物損壊の疑いで同級生だった15歳の男子生徒1人を静岡地検浜松支部に書類送致し、14〜15歳の男子生徒8人を児童相談所に送致した。全員容疑を認めているという。
このうち4人の送致容疑は12年4月中旬、浜松市内で男子生徒をエアガンで撃つなど集団で暴行した疑い。4人のうちの1人を含む3人は同年4月19日ごろ、同市内で男子生徒の自転車を足蹴りするなど集団で暴行した疑い。ほかにも3人が同年1月と6月に、校内で男子生徒の筆箱を切ったり、落書きしたりしたとして器物損壊の容疑で送致した。
書類送検された生徒は当時、14歳。児童相談所に送致された8人は刑事罰の対象にならない14歳未満だった。
転落死の原因を調べた浜松市教委の第三者調査委員会は12年12月、男子生徒の死を自殺と判断、「背景にいじめがあった」とする報告書をまとめた。男子生徒の父親(49)は13年5月、この9人を含む同級生や校長ら教員を対象にした被害届を同署に提出していた。
同署は「第三者調査委の調査結果に基づき捜査を進め、事実確認できたものを立件した。容疑内容と転落死の因果関係はわからない」としている。
父親らは昨年6月、同級生11人と市に約6400万円の損害賠償を求める民事訴訟を静岡地裁浜松支部に起こしている。
「全員でなく残念」父親がコメント
父親(49)は取材に対し、「警察からは『今の法律でできる限りの対応をした』と言われた。(被害届に記載した)全員でないのが残念だが、ある程度の捜査をやってくれたと思っている」と話した。被害届については「いじめに加担した生徒に反省を促し、『駄目なものは駄目』と発信する必要があった」とした。
「精神面に配慮」浜松市教育長
浜松市の児玉一記教育長は15日、今回の警察の対応について「重く受け止めている。亡くなった生徒の冥福をあらためてお祈りします」とコメントを発表した。さらに「(静岡地検浜松支部、市児童相談所に送致された)対象の子どもや周囲も動揺があると思われる。学校とともに子どもたちの精神面に配慮しながら、いじめのない学校づくりに全力を尽くす」とした。