天童・死亡の中1、友人関係の不安訴え 昨年9月に面談「自分で解決」

天童・死亡の中1、友人関係の不安訴え 昨年9月に面談「自分で解決」
山形新聞 2014年1月18日(土)8時17分配信

 天童市南小畑5丁目のJR奥羽本線で7日、市内の中学1年の女子生徒(12)が山形新幹線つばさにはねられ死亡した事故に関連し、学校が毎月実施しているいじめなどに関する調査で、女子生徒は昨年9月、友人関係についての不安を訴えていたことが17日、市教育委員会への取材で分かった。学校側はこの時点で女子生徒に面談したが、「自分で解決する」と話したという。

 学校側はこれまで、定期的に行っている調査でいじめは確認されていないとしてきたが、女子生徒はSOSを発信していたことになる。1学期には、母親が「学校で独りぼっちになっていないか」と学校に相談し、担任が本人に確認すると「大丈夫」と答えていた経緯もある。

 市教委によると、学校は生徒に対し「心の点検表」とする独自調査を毎月実施。▽勉強▽生活▽部活▽友人▽家庭―の5項目について、それぞれ「頑張っている」「不安に思っている」を、レベル1〜5の5段階で自己評価し、悩みや解決したいことを記述させていた。

 女子生徒は昨年9月の調査で、友人関係の項目の「不安に思っている」について「レベル4」に印を付けた。記述の部分には何の記載もなかったが、気に掛けた担任が本人と面談したという。

 このほか、学校は学期ごとに2者面談と文部科学省に報告する問題行動調査も行っている。

 学校は17日、教職員を対象にしたアンケートを行い、死亡した女子生徒について「事実として知っていること」「保護者や地域で聞いたこと」を記述式で尋ねた。設置準備を進めている第三者委員会については、構成メンバーに関して家族の了承が得られていないため、この日の設置を見送った。

天童市長、全小中校への調査要請
 山本信治天童市長は17日、山形新聞の取材に応え、「日ごろから子どもに寄り添ってきたのか、(行政、学校とも)反省すべき点はある」とした上で、市教委に対して市内全小中学校でいじめに関する調査を行うよう要請したことを明らかにした。

 山本市長は「尊い命が失われたことは痛恨の極み。遺族の心情を思えば残念でならない」と沈痛な表情で述べた。15日の校内アンケートでいじめに関する記載があったことについては、「なぜ、これまでの調査や周囲の目で把握できなかったのか」とし、「しっかり調査を行い、一日も早く平穏な学校生活を取り戻してほしい」と語った。

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