いじめ早期察知、対応へ指針・県教委 質問やチェック項目を提示

いじめ早期察知、対応へ指針・県教委 質問やチェック項目を提示
山形新聞 2014年1月31日(金)10時48分配信

 県教育委員会のいじめ・体罰有識者会議(座長・北野通世山形大副学長)の第3回会合が30日、県庁で開かれた。天童市内の中学1年の女子生徒(12)が山形新幹線にはねられて死亡し、いじめに遭っていたと書かれたノートが見つかった問題を受け、県教委は教員、保護者向けのチェックリスト、児童生徒対象の共通アンケート項目など、学校がいじめの兆候に早い段階で気付き、対応するための指針を示した。

 いじめの把握方法はこれまで各校に委ねられていたが、天童市の問題では女子生徒と保護者が何度か不安を訴えていたにもかかわらず、いじめとして認識されなかった。県教委はこうした経過を重く見て、児童生徒の変化に気付き、適切に対応するための共通の指針を示す必要があると判断した。

 児童生徒へのアンケートは年2回実施する方針で▽冷やかされたり、からかわれたりする▽仲間外れにされたり、無視される―など具体的に14項目を示した。項目をそろえることで、いじめの判断基準を明確化する狙いがある。校内で情報を共有し、事実確認に着手するなどといったアンケート後の対応も示した。会議では委員から「子どもが本当のことを書きやすいように無記名にすべきだ」という指摘が相次ぎ、無記名での実施を検討する。

 チェックリストは教職員と保護者用の2種類。教職員向けは、いじめられている子どもに見られる変化として▽班編成の時に孤立しがち▽下を向いて視線を合わせようとしない▽1人で下校することが増える―などを挙げ、気になる児童生徒がいないか定期的に振り返り、組織的に対応するよう促す。

 委員からは「アンケートやチェックリストはあくまでも補助的なもので、教員が子どもの変化をきちんと観察することが大切」「保護者向けのアンケートも実施してはどうか」などの意見が出た。

 新たな対策は2月17日の校長会議で示し、2013年度内の調査で導入する予定。

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