朝鮮学校への補助金 新たに健診などを補助 従来のものは全廃/川崎市

朝鮮学校への補助金 新たに健診などを補助 従来のものは全廃/川崎市
カナロコ by 神奈川新聞 2014年2月11日(火)4時0分配信

 川崎市は2014年度から市内の朝鮮学校への3補助金を全て廃止し、新たに外国人学校への2補助金を設けた。児童の健康診断や交通安全教室の費用、地域との交流事業への補助を学校を通じて行う。現時点で市内の外国人学校は朝鮮学校のほかになく、事実上、朝鮮学校への補助金となる。福田紀彦市長は「等しく子どもたちが健康、安全に育つ環境にするため、一定の配慮はさせてもらった」と話している。

 新たに創設した補助金は、「外国人学校児童等健康・安全事業補助金」(150万円)と「外国人学校児童等多文化共生・地域交流補助金」(120万円)。健康・安全事業補助金は児童の健康診断やギョウ虫検査、交通安全教室、防犯ブザー配布などの費用への補助が想定されるという。

 多文化共生・地域交流補助金は地域の公立学校との交流事業やスポーツ大会開催の運営費などを考えている。いずれも学校から申請を受け、市で精査して交付するという。

 川崎市は本年度まで、市内の初級学校2校に教材の購入に使える整備等補助金(130万円)、教職員向けの研修費補助金(20万円)、保護者に授業料のため月額6千円を補助する児童等保護者補助金(690万円)の計約840万円を計上。しかし昨年12月、福田市長は「県を補完する補助金の本来の考え方から、県が予算計上を見送っている状況を踏まえ、本年度の補助金の交付は行わない」と表明。14年度については「市の補助のあり方について検討する。主体的に考える」としてきた。

 今回、福田市長は「多文化共生は重要。一方、学費を補助する考えは、補助金のあり方としてどうなのかと常々思っていた。そういった意味でこういった補助金の形に替えた」と話し、学費補助や学校の施設整備から生徒の健康や安全に役立つ形の支援策に見直した。また、外国人市民意識調査などを行い、新たな国際化施策推進方針の策定などに取り組むとしている。

 朝鮮学校への補助金については、県が13年度の予算計上を見送っていたが、14年度予算では新たに外国人学校に通う児童、生徒に対しての補助金を計上した。

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