第三者委の年度内設置は困難か 天童、中1死亡から2カ月

第三者委の年度内設置は困難か 天童、中1死亡から2カ月
山形新聞 2014年3月8日(土)10時47分配信

 天童市の中学1年の女子生徒(12)が山形新幹線にはねられて死亡し、自宅からいじめを受けていたと記されたノートが見つかった問題は、この生徒が死亡してから7日で2カ月が経過したが、いじめの真相を究明する第三者委員会はまだ設置されていない。同市の水戸部知之教育長は要綱の見直しを示唆しており、2013年度中の設置は困難な情勢になってきた。

 第三者委員会は昨年9月施行のいじめ防止対策推進法で定める「重大事態(いじめにより児童らの生命に重大な被害が生じた疑いがあるとき)への対処」に基づいて設置される。市教委は1月17日に設置要綱を告示し、弁護士、医師ら4人で構成する委員の人選について遺族と協議してきた。

 しかし、水戸部教育長は4日の市議会本会議の一般質問で「(要綱策定で遺族と市教委が)共通理解に立っていない部分があった」と答弁。質問した市議が遺族と市教委の信頼関係をただすと、「われわれに何らかの落ち度があったかもしれない」と述べ、真実究明に向かう初期段階から遺族との意思疎通がスムーズではなかったとの認識を示した。

 市教委が提示した委員についても遺族の了承が得られていない状況で、設置要綱の見直しを示唆した水戸部教育長は「(第三者委員会の設置には)時間はかかると思うが、丁寧に進める」との考えを示している。

 いじめ防止対策推進法の衆院の付帯決議は、重大事態への対処に際し「いじめを受けた児童ら、その保護者から申し立てがあったときは、適切かつ真摯(しんし)に対応すること」としている。

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