高畠高女子生徒自殺訴訟、あす11日判決 山形地裁、いじめの有無争点
山形新聞 2014年3月10日(月)9時54分配信
高畠町の高畠高で2006年11月、同校2年だった渋谷美穂さん=当時(16)=が飛び降り自殺したのは校内でのいじめが原因だったなどとして、父親らが県に9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、山形地裁で言い渡される。いじめ以外に原因はないと主張する原告に対し、被告の県側は「いじめはなかった」としている。美穂さんへのいじめの有無について、地裁がどう判断するか注目が集まる。
原告側の主張によると、美穂さんはクラスメートらから「きもい」「臭い」などと言われ、消しゴムのかすを投げられるなどしていたとされる。自殺当日の06年11月22日、携帯電話のメール機能に遺書を保存し、同日午後0時25分ごろ、校舎と体育館の2階部分を結ぶ渡り廊下の屋根から飛び降り、死亡した。両親はいじめがあったことは遺書の内容からも明らかだとしている。
一方、被告側は「臭い」などという言葉や、消しゴムのかすは美穂さんに向けられたものではないとし、感受性が強く、神経過敏だった美穂さんがいじめられていると勘違いした可能性が高いと反論している。
原告側は自殺直前の対応や、その後の原因究明に向けた調査などに関して学校や県教育委員会の責任を追及しており、被告側は自殺の予見は不可能で防止義務は負っていないとし、調査も適正だったとしている。