代理体罰の教諭「報道で騒ぎ大きくなった」釈明
2014年3月19日 読売新聞
山形市の中学校で男子バレーボール部顧問を務める50歳代男性教諭が、2010年秋から13年2月頃にかけて部員同士に平手打ちを命じていた問題で、県教委幹部が「報道で騒ぎが大きくなってしまった」などと教育委員に釈明していたことが分かった。
体罰への認識に疑問を抱かせるような発言に批判が出ている。
問題の発言があったのは、昨年9月12日に開催された定例の教育委員会。報道を受けてから、わずか10日後のことだった。
公表された議事録によると、委員から事務局に「懲戒処分を提案する(13年6月の委員会の)時点で、生徒同士をたたかせていた事実を把握していなかったのか」と質問があった。県教委の阿部善和教職員室長は「把握しており、そうした行為も含めて懲戒処分の議案を提案したが、報道のされ方が一方的で騒ぎが大きくなった」と答えた。
阿部室長は「(体罰は)特に重傷を負わせたものは、より悪質であると考えている」とも述べ、けがの程度で悪質性を判断したことをうかがわせた。生徒同士を平手打ちさせる体罰では、けが人はなかったとしており、当初から悪質性が高いと判断していなかった可能性がある。
文部科学省は、体罰について「身体に対する侵害を内容とするものや、児童生徒に肉体的苦痛を与えるようなもの」と定義し、けがの程度で悪質性を判断するとは定めていない。
阿部室長は18日、取材に対して「記憶にないが、会議録に残っているのであれば発言したのだと思う。当時は県民に申し訳ないという気持ちで、ナーバスになっていた」と釈明した。県教委の秋葉秀出男教育次長は「『一方的』という言葉は真意ではない。誤った受け取られ方をするのであれば、言い方が適切ではなかった」と擁護した。