第三者委の設置要綱、遺族の合意得ず策定 天童・中1死亡で市教委

第三者委の設置要綱、遺族の合意得ず策定 天童・中1死亡で市教委
山形新聞 2014年3月19日(水)7時37分配信

 天童市の中学1年の女子生徒(12)が山形新幹線にはねられて死亡し、自宅からいじめを受けていたと記したノートが見つかった問題について、天童市議会の総務教育常任委員会で18日、集中質疑が行われた。設置が遅れている第三者委員会について、水戸部知之教育長は設置要綱は遺族の合意を得ないで定めたことを明らかにした。要綱に対して遺族は内容が公正、中立ではないとして修正を求めている。

 委員からは要綱にある「市教委は委員を解嘱できる」「事務局は学校教育課に置く」との項目が中立性を欠くとの指摘が相次いだ。その上で、遺族の了承を得て策定したかただされると、水戸部教育長は「『合意に至らないままで』と言われればその通りだ」と述べ、「県が示したひな型に基づいて作成し、重大事態の発生に伴い早急に対応した」と釈明した。

 第三者委員会について、市教委は1月17日に要綱を告示。前日夜に遺族から「設置の了承は得た」とするが、その時点で内容は示さず、2月に入ってから説明した。要綱の見直しに関し、水戸部教育長は「法の精神の範囲で譲れるところは譲る」と述べた。

 一方、遺族が開示を求め、市教委が非開示の方針としている全校生対象のアンケート結果について、水戸部教育長は「不確かな情報が多分にあり、個人情報保護の面からも開示はしない」と説明。これに対し、委員は「それが隠蔽(いんぺい)のイメージにつながる」と指摘した。市教委は、聞き取り調査で一定の事実確認ができたとの認識を示し、「確認できた内容を遺族に開示する」と述べた。

 いじめを防げなかった責任を問われると、水戸部教育長は「できるだけ早い段階で遺族に謝罪したい」との考えを明らかにした。

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