高畠高生自殺、遺族側が控訴断念 「いじめ原因、立証困難」
山形新聞 2014年3月25日(火)10時34分配信
高畠町の高畠高で2006年11月、同校2年だった渋谷美穂さん=当時(16)=が飛び降り自殺したのは、校内でのいじめが原因だったなどとして、両親が県に9千万円の損害賠償を求め、山形地裁(石垣陽介裁判長)に請求を棄却された訴訟で、原告側の美穂さんの両親が24日、「これ以上、いじめが原因だったことを立証するのは困難」などとして、控訴しない方針を示した。控訴期限は25日。
両親が24日、文書で理由などを明らかにした。
原告側は「いじめが誰によって、いつ、いかなる表現方法などで行われていたかについて、一審判決を覆すだけの確たる、新たな証拠を仙台高裁に提出することは現時点で不可能」としている。立証が困難な理由については、学校の生徒に対する調査が形式的かつ、誘導的な質問にとどまり、十分ではないことに加え、既に時間が経過し、原告自身がこれ以上調べることもできないことを挙げている。
一方、地裁が美穂さんの遺書を証拠採用し、自殺の原因が家庭内の問題ではなかったと認定したことについては、一定の成果があったとしている。両親は被告側に対し「『調査が十分だったかは疑問が残る』との判決を受け止め、改めるべき所は改めてほしい」と訴えている。
被告側の県教育委員会は「原告の対応を把握していないので、コメントできない」としている。