ボス教員を人選・組織票左右…選挙で校内人事
読売新聞 2014年4月18日(金)16時54分配信
大阪府内の公立学校で、校内人事を教員による選挙や話し合いで決めていた実態が、複数の教員ら学校関係者の証言でわかった。
ある府立高では、選挙の開票と同時にその場で校長が最多得票者を任命し、別の学校では数年前まで職員会議で学級担任を決めていた。現場からは「責任があいまいで、結局は子どもたちに迷惑がかかる」と懸念の声が漏れている。
「進路指導主事にふさわしい先生の名前を記入してください」
今年3月、府立高の職員室。教員らでつくる「人事委員会」のメンバーが全教員に投票用紙を配り、呼びかけた。教員らは投票箱に用紙を入れ、その場で開票が始まった。黒板に、教員ごとに「正」の字が書かれていく。開票作業が終わったところで、校長が最多得票者の教員に呼びかけた。「○○先生、新年度の進路指導主事をお願いします」
この府立高には、進路指導主事や生徒指導の責任者を選挙で選ぶとする教員間の「申し合わせ事項」が文書で定められ、毎年選挙が行われてきたという。担任決定のルールもあり、人事委員会が毎年担任を選定し、職員会議で発表していた。
学校関係者の一人は「ボス的な教員の人選がまかり通り、選挙結果は組織票に左右される。校長には決定権がない状態」と語り、「適任とはいえない教員も当選しており、子どもたちに悪影響を与えてしまう」とため息をついた。