教諭補助金着服、中体連ずさん会計…島根・安来
読売新聞 2014年04月24日 16時26分
島根県安来市立第一中の石倉悦夫教諭(49)が市の補助金約580万円を着服したとして23日、懲戒免職処分を受けた問題で、同教諭が会計を担当していた市中学校体育連盟(会長=成相政明・安来市立広瀬中校長)のずさんな管理体制が明らかになった。
同市教委によると、市中体連は中学校運動部の大会運営費や、遠方の大会に出場する生徒らの旅費を負担するなどし、市内の5校が加盟している。
石倉教諭が現金を引き出した中体連名義の銀行口座は、目的別に〈1〉大会運営費〈2〉大会派遣費(旅費)〈3〉事務局運営費〈4〉自治体合併前の組織から引き継いだ休眠口座――の4口座で、全ての通帳や印鑑を石倉教諭が一人で管理。各校へ配分する旅費の額も同教諭が独自に決めていたという。
また、〈1〉用の口座は加盟校の教頭2人が毎年監査していたものの、残る口座の監査は行われておらず、市への報告義務もなかった。
市教委は再発防止策として、中体連の会計担当者は通帳のみを管理し、印鑑は別の人間の手元に置くよう改める。また、担当者は2年以内で交代させ、中体連と市教委が2重に監査を行うようにする。村本愛治学校教育課長は「ずさんな管理が招いた結果。中体連のみならず、全校の会計処理が適切に行われるよう努力したい」としている。
石倉教諭は同校の体育主任で、陸上部顧問も務めていた。県教委の調べに対し「生徒たちを裏切ることになり、深く後悔している」と話しているという。着服した約580万円のうち、9日までに約510万円を返済しており、残りも返すとしている。(寺田航)