「いじめで精神疾患」−元県立高生が提訴
佐賀新聞 2014年04月26日更新
佐賀市の県立高の元男子生徒が、いじめを受けて精神疾患を発症し転学を余儀なくされたとして、県と同級生3人に慰謝料など1千万円の損害賠償を求める訴えを佐賀地裁に起こし25日、第1回口頭弁論が開かれた。いじめ問題をめぐって学校現場の調査や対応が適切だったのかどうかが争われる。
訴えによると、男子生徒は入学直後の2011年6月ごろから数カ月にわたり、同級生の男子3人から殴る蹴るの暴力を受け続け、パニック障害などの症状が出て通学できなくなった。
学校は登校を促すため、この同級生のうち2人を生徒宅へ行かせる対応をとり、その際に1人がアイドルグループAKB48の握手券を無断で持ち帰ったという。
いじめが不登校の原因と疑った保護者が学校に問い合わせたところ、担任教諭は「そんなことは絶対ない」と返答。男子生徒は暴力を受けていたことを担任教諭に打ち明けたのに、学校は調査しなかったとしている。
男子生徒は不登校のまま同年中に転学し、現在も通院を続けている。転学後、保護者からの求めで学校は調査を行ったが、いじめは確認できなかったという。
生徒側は、学校がいじめの実態に応じた適切な措置をとらなかったなどとして、加害者の同級生と連帯責任を負うと主張している。県教委は「現段階ではコメントできない。裁判の過程で事実関係を明らかにする」としている。