タブレットで教材DLできず 県立高34校
佐賀新聞 2014年05月02日更新
佐賀県教委が今春の県立高校1年生から導入したタブレット端末で、全36校のうち34校で一部の教材ソフトがダウンロード(DL)できない不具合が発生している。技術的なトラブルのため学校単独での解決は難しく、県教育情報課が「想定外」としてソフトメーカーに調整を要請、不具合解消に乗り出している。
県教育情報課によると、予定通りダウンロードが完了したのは、唐津工と鳥栖商の2校だけ。他の34校が採用している別の教材メーカー大手2社のソフトで、問題が発生した。親機となる教諭の端末を介して各生徒が自分の端末にダウンロードする手順だが、ソフトの容量が大き過ぎて授業時間中に処理が終わらなかったり、エラーとなって処理が中断されたりするという。
武雄高は、国語、世界史、数学、物理など12本の教材ソフトを端末にダウンロードする予定だった。音声や動画ファイルが含まれる容量の大きいソフトなどは、50分の授業時間内に完了せず、そのまま待ち続けても最終的にエラーになったという。
2社は主要科目を扱っており、学校によってはソフトを複数採用している。武雄高の場合、教材ソフト12本のうち、ダウンロード完了率は「3分の1程度」(同校)という。現在は、インターネットを使った調べ物学習や電子辞書的に使うなど限定的な利用にとどまっている。
「生徒負担(1人5万円)で導入したため、予定通りに使われていないことは、保護者の方に申し訳ない。ただ、技術的なトラブルのため、学校で解決するのは難しい」と同校。佐賀市の致遠館も「授業時間をダウンロードだけに充てることはできない」とし、各校とも県教育情報課の対応待ちだ。
同課は容量の大きいソフトを分割するなど、回線の負担を軽減することで対応するとし、「教材が予定通り配布されていないことは、反省している。18日から具体的に対応できるようになる」としている。