天童の中1自殺、遺族が公正な調査要望 市教育委員と初面会

天童の中1自殺、遺族が公正な調査要望 市教育委員と初面会
山形新聞 2014年5月9日(金)8時1分配信

 学校でのいじめに悩んでいた天童市の中学1年の女子生徒=当時(12)=が自殺したとみられる問題で、遺族が8日、市教育委員5人と初めて会い、第三者による調査委員会について公正、中立を担保するよう求めた。佐藤通隆教育委員長は「事件を防げなかったことを申し訳なく思う」と陳謝した上で、遺族の意向を反映した設置要綱に修正するよう協議を進め、早期に第三者委員会を設置することを約束した。

 遺族はこれまで、第三者委員会の設置要綱について市教委学校教育課に見直しを求めてきたが、設置の決定権を持つ教育委員に意向が伝わっていないとして面会を求めていた。

 会合は、遺族側が30分以内に委員への要望を伝える形で進められ、質疑応答は認められなかった。冒頭、父親は「求めるものは娘の尊厳の回復と同種事案の再発防止」と述べ、しっかりとした事実究明を訴えた。その上で、今後、調査対象となる市教委では適正な対応ができないとして、第三者委員会の事務局を他部署に置くことや、利害関係のない委員を県内外から広く選ぶことを強く求めた。

 父親は、女子生徒がノートに書き残した「きみは大丈夫。まだ生きている」「手遅れじゃないから、生きられるから」「死を望まないで、わたしと同じにならないで」との抜粋内容を読み上げ、「娘は、いじめで命を落とすことが起こらないことを望んでいた」と声を詰まらせた。

 第三者委員会の設置要綱は、市教委学校教育課などが遺族の了承を得ずに策定し、臨時教育委員会で可決された経緯がある。

 会議後の取材で、当時の判断を問われた佐藤教育委員長は「遺族との話し合いや情報共有が不足していたことは反省している」と述べた。一方、教育委員によるこの日の協議内容は明らかにせず、事務局の設置部署やいじめアンケートの開示といった要望に応えるかについては「慎重な議論が必要」と明言を避けた。

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