大産大の巨額損失発覚5年後の懲戒解雇 関与の教授が大学を提訴
産経新聞 2014年6月23日 15時34分配信
大阪産業大(大阪府大東市)が仕組み債と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)取引で運用資産に巨額の損失が生じた問題で、同大が今年3月、常務理事だった当時に取引に関与し、平成21年に問題が発覚した後も教授として在籍していた男性を懲戒解雇していたことが23日、分かった。
元教授側は「発覚から5年もたって突然解雇するのは不当」などとして、解雇無効などを求めて大阪地裁に提訴。第1回口頭弁論が同日開かれ、大学側は争う姿勢を示した。
訴状などによると、元教授らは平成11〜20年、同大の資産運用に関わり、巨額の評価損が生じたことが21年1月に発覚。損失は約12億円にのぼり常務理事を退いたが、経営学部の教授として勤務していた。しかし大学側は昨年4月、元教授や当時の理事長ら3人を相手取り、約1億9千万円の損害賠償を求めて提訴。今年3月14日には、元教授を懲戒解雇した。
同大をめぐっては昨年3月、21年度入試で進学の意思のない付属高生に受験を要請した「やらせ受験」も発覚。
当時の付属高校長ら9人が今年2月、降格や減給などの懲戒処分を受けた。
元教授側は「(大学が起こした)訴訟の司法判断が出ておらず、資産運用に関与した他の職員も懲戒対象になっていないのに、一人だけ解雇するのは懲戒権の乱用だ」と主張。「やらせ受験の処分に比べ、今回の処分は重すぎる」とも指摘している。
大学側は「現在係争中のため、(元教授の)個人情報を含めコメントできない」としている。