<自閉症生徒いじめ訴訟>千葉市、200万支払いで和解 教諭らの安全配慮不足認め謝罪

<自閉症生徒いじめ訴訟>千葉市、200万支払いで和解 教諭らの安全配慮不足認め謝罪
ちばとぴ by 千葉日報 2014年6月25日 13時19分配信

 千葉市教委の農山村留学推進事業で、教諭らの安全配慮不足を背景に起きたいじめで頭部にけがをして精神的苦痛を受けたとして、同市立中学校2年で自閉症の男子生徒(13)=同市緑区=が市を相手取り、慰謝料など230万円の支払いを求めていた訴訟が24日、千葉地裁(岸日出夫裁判長)で和解が成立した。市側が安全配慮が不十分だったことを認め謝罪し、和解金200万円を支払う。

 訴状によると、男子生徒は市立小学校に通っていた2012年8月、同市内の3小学校の児童14人と長野県飯山市の民宿に宿泊。自閉症に関する周知が不十分だったため他校生からいじめを受け、頭蓋骨骨折の重傷を負うなどした。原告側は「市教委はいじめの兆候があったのに対応しないなど、安全配慮義務違反があった」と主張していた。

 和解では、市教委は生徒側に謝罪するとともに、外見からは分かりにくい発達障害児に配慮したいじめ対策がなされるように研修や相談などの体制整備と運営に努めるとしている。

 代理人弁護士は「全面勝訴に近い和解」と評価した一方、「市側が早期に非を認めたことで逆に争点がなくなり、原告が望む真実の究明が達成されたとは言いがたい」と言及。生徒の母親(49)は「いじめについて第三者による検証を実施し、今後に生かしてほしい」と述べた。

 市教委指導課は「被害に遭った児童とその保護者に心から謝罪する。再発防止に努めたい」とコメントした。

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