鶴ヶ島・女子中学生転落でいじめとの関連検証 調査審議会が初会合
埼玉新聞 2014年7月1日(火)
鶴ケ島市立西中学校の女子生徒2人が3、4月にそれぞれ校舎から転落して重傷を負った事故で、市教育委員会は30日、第三者調査機関「いじめ問題調査審議会」の初会議を開き、弁護士ら2人を委員に委嘱。いじめとの関連性などの検証を始めた。
委嘱されたのは弁護士の渡辺祐樹氏(42)と臨床心理士の森田明子氏(47)。市教委はさらに精神科医の選任を進め、「年内に調査報告や提言をまとめたい」としている。
審議会は市教委の調査報告を受けて、(1)調査方法と内容の審査(2)市教委の対応や調査結果の検証、いじめ・事故の関連性の調査(3)実施すべき調査の検討(4)今後とるべき取り組みの提言―を話し合う。
事故は3月17日、当時2年生の女子生徒が校舎4階トイレの窓から転落。4月14日には、別の3年生の女子生徒が2階トイレから転落し、いずれも足や腰などを骨折する重傷を負った。
市教委が家族や学校などから事情を聞き、当時2年の女子生徒は友人関係で、3年の女子生徒は健康や進学問題などで悩んでいたことが判明した。
市教委は30日現在、本人から事情を聞いておらず、「いじめと事故の関係は確認されていない」としているが、当時2年の女子生徒の保護者は「娘はクラス内で疎外されたことに耐えられなかった」と背景にいじめがあったことを示唆する文書を市議会や市教委に提出している。
市教委から調査報告を受けた渡辺弁護士は「関係者の意見を踏まえて偏見や予断を持たずに検討したい」、森田氏は「心理学的見地から丁寧に見ていきたい」と述べた。