「東大教授ら虚偽の説明、処分を」千葉大調査委

「東大教授ら虚偽の説明、処分を」千葉大調査委

読売新聞 2014年7月15日 19時7分配信

 高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データが改ざんされていた問題で、千葉大の調査委員会は15日、「統計解析を販売元のノバルティスファーマの元社員に行わせていたにもかかわらず、論文の責任著者の小室一成・東大教授(当時は千葉大)らが虚偽の説明を続け、調査を混乱させた」として、小室教授の処分を東大側に求めることを促す異例の最終報告をまとめた。

 報告では、〈1〉研究の一部のデータが、複数回にわたり、元社員に提供され、最終段階の統計解析が行われた可能性が高い。意図的な操作が否定できない〈2〉データの脱落率が60〜80%と異常に高い項目があり、ディオバンに有利な結果になった傾向が見られる――などを確認し、改めて論文を取り下げるべきだと勧告した。

論文取り下げ同意せず 千葉大 降圧剤問題で研究者ら

産経新聞 2014年7月16日 7時55分配信

 千葉大が行った高血圧治療の降圧剤「ディオバン」の臨床研究で、研究責任者の小室一成教授(現・東京大教授)らが「論文を取り下げるべきだ」とした大学側の勧告に同意していないことが15日、分かった。千葉大は同日、小室氏らが虚偽の説明をして調査を混乱させたとする最終報告書を公表し、改めて論文撤回を勧告する方針だ。

 報告書によると、小室氏らは当初、大学の不正行為対策委員会の調査に対し、別の臨床研究でデータを改竄(かいざん)したとして薬事法違反容疑で逮捕されたノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者の関与を否定。しかし、4月になって研究者の1人が、白橋容疑者に解析を依頼していたと証言を訂正した。小室氏も「白橋容疑者に解析を任せることは了承していた」などと説明を変えたという。

 千葉大は5月、解析の過程で意図的なデータ操作が行われた可能性は否定できないとして、学会誌に掲載された論文3本の取り下げを勧告。だが、小室氏ら数人の研究者が勧告に同意しなかった。大学によると、研究論文は責任著者が共著者の合意を得て取り下げる仕組み。ディオバンの臨床研究をめぐっては、東京慈恵会医大や京都府立医大がすでに論文を撤回している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする