「忘れてほしい」教え子に謝罪 偽造免許で15年間教師、男性を書類送検
産経新聞 2014年10月21日 15時11分配信
大阪府東大阪市の市立中学で教員免許状を持たない男性(45)が15年にわたり授業を行っていた問題で、大阪府警枚岡署が詐欺と偽造有印公文書行使、教職員免許法違反の疑いで、この男性を書類送検していたことが21日、分かった。男性は今年7月、偽造免許で教員になり給与計約4千万円を詐取したとして、府教委に刑事告発されていた。
府警によると、男性は平成11年4月、友人から借りた教員免許をコピーし、氏名や生年月日、免許番号を書き換えて偽造した免許状を府教委に提出。今年2月に失職するまで市内の4中学校で社会科を教えた。
送検容疑は、今年1月に免許を更新した際、府教委に偽造した免許状の写しを提出したなどとしている。
21年に教員免許更新制度が導入されており、府教委の電子システムで、書き換えた免許番号が別人のものだったことが発覚した。
府教委によると、男性は6年に大学を中退した後、10年度の教員採用試験に合格し、11年4月に府教委に採用された。しかし大学で必要な単位を取得していなかったため、免許状の交付を受けていなかった。
問題発覚を受け、府教委は「採用時に教員免許の原本を確認する義務がなく更新手続きまで気づかなかった」と釈明。小中学校の教諭約1万5千人の教員免許の保有状況を調査した。
男性は書類送検される前に産経新聞の取材に応じ、教え子らに謝罪した。一問一答は以下のとおり。
■「教員の夢あきらめきれず」
−−なぜ免許を取得しなかったのか
大学で勉強する中で、教員になりたいと思ったが卒業できず、中退してしまった。しかし教員になる夢をあきらめきれず、ずっと試験を受け続けていた。
−−教え子に伝えたいことは
直接会って謝罪したい。
−−今どんな思いか
いろんな人に迷惑をかけて申し訳ない。
−−「いい先生だった」という生徒や保護者もいる
悪いことをしたと思っている。一日も早く僕みたいな教員がいたことは忘れてほしい。それしかない。