自殺女子中生遺族側、ノート提出 精査し人間関係調査へ
山形新聞 2014年12月27日(土)15時9分配信
学校でのいじめに悩んでいた天童市の女子中学生が自殺した問題で、いじめの実態を調査する第三者委員会の第2回会議が26日、同市教育委員会庁舎で開かれ、女子生徒の両親が委員と面会した。両親は女子生徒がいじめについて書き残したノートのコピーを提出し、迅速で正確な調査と同校生徒らを対象にしたアンケートの再実施を求めた。第三者委はノートの内容や学校などによる生徒への聞き取り時のメモなどを精査し、校内での女子生徒の状況や人間関係について調べることを決めた。次回は来年1月9日に開く。
非公開で行われた会議後に野村武司委員長が取材に応じた。これまで市教委や学校に提供されていなかった女子生徒のノートについて、「持参された4冊の現物を拝見し、写しをもらった。死に至る決意が冒頭に書かれていた」とし、「自殺の経緯を調査する上で重要な資料だ」と述べた。
今後は、他の生徒や教師との関係など女子生徒が置かれていた状況の調査を優先する方針。収集を急いできた学校や市教委、県教育事務所による生徒への聞き取り時のメモなどについて、野村委員長は「詳細で丁寧に記録されているとの印象だ」と説明。当面はこれら関連資料とノートに基づいて女子生徒の人間関係を調べるとし、「現時点で生徒らから聞き取りを行うプランはない」と述べた。
同席した遺族側弁護士は会議後の取材で、両親は女子生徒の死亡原因に加え、その後の学校の対応についても迅速、正確な調査を要望し、アンケートの再実施を求めたことを説明した。生徒からの聞き取りに先立って女子生徒の死亡直後の1月中旬に行った校内アンケートについては、両親が内容の開示を求め、市教委が拒んでいたが、第三者委は原本は提供せず、記載内容を記した資料を渡すことにした。
また、関連資料の読み込みやリストアップを担う調査員として、同日までに県弁護士会所属の沼生隆、青柳紀子の両弁護士が選任された。