被告「事故起こした」と供述 ひき逃げ認める
山形新聞 2015年1月17日 9時33分配信
山形市中心部で先月20日未明、東北文教大准教授の松川俊夫さん(56)がひき逃げされて死亡した事件で、道交法違反(救護義務違反、事故不申告)の罪で起訴された楯岡高教諭の斎藤章被告(60)=天童市糠塚1丁目=が「事故を起こした」とする趣旨の供述を始めたことが16日、関係者への取材で分かった。事故後、松川さんを助けずに逃げたことについても、おおむね認めているという。
これまで斎藤被告は調べに対し、発生時間帯に車で現場を通ったことは認めていたが、事件への関与について明確な供述はしていなかった。
斎藤被告は山形市十日町1丁目の路上で先月20日未明、乗用車を運転中、松川さんにぶつかり、約1.5キロ先の同市美畑町まで車両底部で松川さんを引きずった上、救護や警察への通報をせずに逃走し、頭部打撲による頭蓋内損傷で死亡させたとして、道交法違反(救護義務違反、事故不申告)と自動車運転処罰法違反(過失致死)の容疑で同23日、山形署に逮捕された。
山形地検は13日に、このうち救護義務違反と事故不申告の罪で起訴したが、過失運転致死容疑については処分保留とし、捜査を続けている。
斎藤被告が事故を起こし、逃げたことを認めたことで、捜査当局は今後、事件発生当時の状況を明らかにし、松川さんの死亡と事故の因果関係のほか、事故を予見し、回避できたかなど過失の有無、引きずった認識などについてさらに詳しく調べ、過失運転致死の罪での起訴が可能か判断する。