わいせつで処分の教員、過去最多200人超 LINEなどの悪用影響か 文科省調査
産経新聞 2015.1.30 21:04
平成25年度に教え子らへのわいせつ行為により懲戒や訓告などの処分を受けた公立学校の教員は205人(前年度186人)に上り、昭和52年度の調査開始以降最多となったことが30日、文部科学省の調査で分かった。処分者が200人を超えたのは初。文科省によると、スマートフォン向け無料通信アプリ「LINE」などを悪用するケースが増えたことが主な要因とみられる。体罰による処分も3953人(同2253人)で倍増した。
調査は47都道府県と全20政令市の教育委員会を対象に実施。205人が処分を受けたわいせつ行為の内容は、「体に触る」が56人で最も多く、「盗撮・のぞき」37人▽「性交」30人▽「接吻」23人▽「文書・画像などによる性的いやがらせ」19人−など。わいせつ行為に及んだ場所は「自動車内」31人▽「自宅」24人▽「電車やバス」21人−などが目立つ。
学校種別では、小学校52人(前年度49人)▽中学校81人(同60人)▽高校59人(同68人)など。年代別では、50代以上の56人が最も多く、20代は54人、30代は52人、40代は43人だった。最も重い免職となったのは117人。そのほか停職49人▽減給9人▽戒告5人−で、訓告も25人に上った。
体罰は今回から国立と私立についても調べた。体罰により処分を受けた教員は3953人。数字上は過去最多だが、少なくともその半数は、大阪市立桜宮高校の体罰自殺事件を受けた24年度の緊急調査で判明しており、文科省は「年度をまたいで処分が決定した。25年度の発生数は減少傾向にある」と説明している。
また、鬱病などの精神疾患により休職している教員は5078人(前年度4960人)となった。21年度以降減少が続いていたが、再び増加に転じた。
学校種別では、小学校2275人▽中学校1544人▽高校704人−など。半数が職場での勤務年数が2年未満の教員で、文科省は「異動先の職場での人間関係へのストレスなどもあって、精神疾患による休職は依然として高水準で続いており、復職支援に取り組んでいく」としている。