死亡ひき逃げ、過失運転致死罪で追起訴 被告「異音認識も停止せず」

死亡ひき逃げ、過失運転致死罪で追起訴 被告「異音認識も停止せず」
山形新聞 2015年2月6日 7時37分配信

 山形市中心部で昨年12月、東北文教大准教授の松川俊夫さん(56)がひき逃げされて死亡した事件で、山形地検は5日、既に道交法違反(救護義務違反など)の罪で起訴している楯岡高教諭斎藤章被告(60)=天童市糠塚1丁目、起訴休職中=について、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪で追起訴した。斎藤被告が走行中に車両底部からの異音などに気付いていたことが新たに裏付けられたとし、停車して確認する注意義務を怠った過失があると判断した。

 起訴状などによると、斎藤被告は昨年12月20日午前1時50分ごろ、山形市十日町1丁目の交差点で乗用車を運転中に松川さんに衝突。異音に気付き、加速しにくくなったと感じていたが、そのまま約1.5キロ引きずった。同市鉄砲町1丁目の路上で急停車した際、沈んだ車体底部で松川さんの頭部を圧迫し、頭蓋内損傷で死亡させたとしている。

 斎藤被告は調べに対し、「人を引きずったとは思っていなかった」との趣旨の供述をしているという。

 地検は先月13日、けがを負わせたにもかかわらず、救護や通報をしなかったとして道交法違反の罪で起訴。過失運転致死容疑は処分保留とした。捜査当局は過失の有無や引きずった認識、松川さんの死亡と事故の因果関係を引き続き調べており、同型車を使った実験や実況見分を踏まえ、違和感を覚えながらも停止しなかった点について、過失が問えると結論付けた。

 斎藤被告の初公判は3月5日、山形地裁で開かれる。

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