製薬社員が「不適切関与」…東大教授に厳重注意
読売新聞 2015年02月14日 07時35分
白血病治療薬の臨床研究に製薬企業ノバルティスファーマなどの社員が不適切に関与していた問題で、東京大学は13日、黒川峰夫・血液腫瘍内科教授に対し、文書で厳重注意し、昨年12月末で依願退職した同科元講師にも厳重注意相当と伝えたことを発表した。
処分は5日付。
黒川教授は「研究の透明性や信頼性の確保を適切に実施すべきであったと深く反省している」として給与の10分の1を3か月分、自主返納する。処分の対象にはなっていない門脇孝・東大病院長も、給与の10分の1を1か月、自主返納する。
東大によると、同科の臨床研究に製薬企業社員が不適切に関与したケースは計6件。うちノバ社が5件、ブリストル・マイヤーズ社が1件だった。ノバ社の5件では、社員が研究の計画段階から学会発表のスライド作成、データ運搬まで関わり、300人以上の患者データが同社に流出した。