診療科長「死亡続いていると認識してなかった」…群馬大病院

診療科長「死亡続いていると認識してなかった」…群馬大病院
読売新聞(ヨミドクター) 2015年3月10日 9時56分配信

 同じ執刀医による肝臓手術で18人が相次いで死亡した群馬大学病院第二外科では、死亡症例検討会がほとんど開かれておらず、診療科長の教授は病院側の調査に「死亡例が続いているという認識はなかった」と答えたという。他のチームから問題を指摘されることもなく、閉鎖的な体制が深刻な事態を招いた。

 同病院では、医療過誤と疑われる症例があった場合、安全管理部門に報告する制度を設けていたが、報告基準が明確でなく、判断は現場の医師任せだった。執刀医や教授は1例も報告しておらず、野島美久よしひさ病院長は「医師の申告がないと把握できない」と説明。集中治療部の医師が「腹腔鏡手術で死亡例が複数ある」と情報提供し、昨年6月頃に調査が始まるまで問題は見過ごされていた。

 同病院によると、執刀医は、2010年12月に腹腔鏡を使った肝臓手術を始めたが、初めの2例は、経験豊富な腹腔鏡技術認定医に立ち会ってもらい実施。うち1例で死亡していたが、原因の検証は不十分だった。3例目以降は技術認定医の支援がないまま行い、結果として死亡例が重なったとみられる。

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