教諭逮捕 広がる衝撃 松本養護学校や県教委
信濃毎日新聞 2015年4月09日(木)
県松本養護学校(松本市)の教諭、近藤宏介容疑者(39)=安曇野市穂高北穂高=が8日、大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたことに勤務先の同校や県教委に衝撃が広がった。伊藤学司県教育長は同日午後に県庁で取材に答え、「本当に信じられない。児童生徒や保護者に申し訳なく、心からおわび申し上げる」と陳謝し、「(教員対象の)倫理面の研修を徹底したい」と述べた。
県教委や同校によると、近藤容疑者は中信地方の養護学校などで講師として教え、昨年の教員採用試験に合格して教諭になったばかり。松本養護学校では中学部3年の学級担任になり、7日の始業式で初めて顔を合わせた生徒ににこやかに接していたという。
片桐義章校長は8日午後の記者会見で「最初の職員会で不祥事が無いように呼び掛けただけに、非常に残念」と悔しそうに話した。同校は9日、3月まで1年8カ月勤務した県安曇養護学校(北安曇郡池田町)は10日、それぞれ保護者に説明する予定だ。
県内では2013年8月にも、下伊那郡松川町の小学校教諭が薬事法で規制された指定薬物を含む液体を輸入したとして、同法違反などの疑いで逮捕され、有罪が確定した。
県教委は相次ぐ教員の不祥事を踏まえ、13年7月に「信州教育の信頼回復に向けた行動計画」をまとめ、教員の研修で法令順守を徹底するなどしてきた。教員による新たな違法行為の疑いが判明し、伊藤県教育長は「教員となる自覚をしっかり持った人を採用できるよう一層努力する」と述べた。