<大阪産業大「やらせ受験」>付属高の元教頭が賠償提訴

<大阪産業大「やらせ受験」>付属高の元教頭が賠償提訴
毎日新聞 2015年4月8日 18時30分配信

 ◇「名誉傷付けられた」と慰謝料など求め、法人側は争う姿勢

 大阪産業大(大阪府大東市)の「やらせ受験」問題で、入学意思のない生徒に受験を依頼したことを告発した付属高の元教頭(56)が、「学校法人の指示だったのに、自分が独断で受験させたとする報告書を公表されて名誉を傷付けられた」として、学校法人を相手取り慰謝料など1650万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求める訴えを大阪地裁に起こした。第1回口頭弁論が8日あり、法人側は争う姿勢を示した。

 訴状によると、大産大は2009年度の経営学部の入試で、成績優秀な生徒に受験させるよう付属高に依頼。元教頭の指示で付属高の教諭が進路の決まっていた生徒9人に頼み、1回5000円の謝礼を支払った。

 元教頭は11年、当時の法人理事長にこの問題を文書で告発した。13年3月の毎日新聞の報道で明るみに出ると、法人は同6月の記者会見で「やらせ受験」の事実を認める一方、組織的な関与を否定。同12月には「元教頭の不適切な行為」とする中間報告書を文部科学省に提出した。

 ところが法人は昨年12月、文科省へ提出した最終報告書で、一転して大学側の関与を認めた。入学定員の超過による国の補助金カットを避ける目的があったという。

 法人側は取材に対し、「コメントは差し控える」としている。【堀江拓哉】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする