逃走理由「頭真っ白パニックに」 山形・死亡ひき逃げ、山形地裁公判

逃走理由「頭真っ白パニックに」 山形・死亡ひき逃げ、山形地裁公判
山形新聞 2015年4月21日 9時34分配信

 山形市で昨年12月、東北文教大准教授の松川俊夫さん(56)がひき逃げされて死亡した事件で、道交法違反(救護義務違反など)と自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた、元楯岡高教諭斎藤章被告(61)=天童市糠塚1丁目、懲戒免職処分=の第2回公判が20日、山形地裁であった。斎藤被告は被告人質問で、逃走した理由について「頭が真っ白になりパニック状態だった。自分が積み上げたものを失うことへの自己防衛的な気持ちもあった」と述べた。

 斎藤被告は十日町1丁目の交差点で事故を起こす直前、路上の松川さんに気付いていたとし、衝突時は「車底部から突き上がるようなショック(衝撃)があった。同乗者(ホステス)に迷惑を掛けられないと思い、同乗者を自宅まで送った後に現場に戻ろうと考えた」と話した。

 松川さんを山形西高前まで約1.5キロ引きずっていた認識は「全く感じていなかった」と否定。通常なら車底部の異音や加速の鈍さから引きずっていたことに気付くのではないかと指摘されると、「パニック状態で運転していたからだと思う」などと述べ、当時の精神状態が異常だったため気付かなかったと説明した。山形西高前で車から外れた松川さんを発見しても助けなかった理由については「事の重大さに気付いて怖くなったから」と振り返った。

 松川さんや教え子らへの思いを尋ねられると、「本当に申し訳ない。まず松川さんのところに行って手を合わせたい。私を信頼してくれた人を裏切り、大きなショックを与えた」などと謝罪した。

 次回は6月1日で、論告求刑と遺族による意見陳述、最終弁論を行い結審する。

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