ラブホ面談、パンストせがみ…相次ぐ教職員のセクハラ処分 不可解な弁明も
産経新聞 2015年8月18日(火)17時35分配信
セクハラやわいせつな事件を起こし、懲戒処分となる教職員が後を絶たない。東京都では昨年度、校長ら31人が懲戒処分となった。教育実習生にパンストを売ってくれと迫ったり、保護者とラブホテルで面談したり。男子児童の陰部をまさぐるなど“アブノーマル”な行為も少なくない。子供を預けるのが、不安になってしまうようなケースもあるが、“同僚”の支援を受けて裁判所で争い、職場復帰してくる例もある。本当に日本の教育はこれでいいのだろうか。
■「処分重すぎる」「一方的だ」
「女子生徒は家庭環境が複雑で支えようと思った。助けるためだった」。は今年1月、東京都新宿区の都庁内で記者会見し、そう弁明した。会見には「支援をしてきた」という同僚の教諭も複数同席し、「まじめで熱心な先生だ」「潔白だ」と口々に語り、東京都教育委員会の処分は「重すぎる」「一方的だ」などと非難を続けた。
男性教諭は平成23年、担任をしていた当時高校2年の女子生徒1人に「付き合ってほしい」「抱くのに場所なんて関係ない」などの不適切なメール845通を送信したなどとして、昨年7月に懲戒免職になった。
だが、教諭は処分を不服として東京地裁に提訴。今年1月、同地裁はメール送信などの事実を認めたものの、「懲戒免職とするまでの理由には欠ける」として処分停止を決定した。
記者会見は裁判所の決定を受けて開かれたものだったが、メールの文面は生徒に出すには不適切極まりない。「遭ったときに一緒に横になって寝よう」「キスできて嬉(うれ)しかった!」などと性的関係をほのめかしたり、愛撫(あいぶ)の仕方を説明したりするような内容もあった。
男性教諭は会見で「メールは彼女を励ますために出した。実際にキスはしていない」などと性的な関係は否定。処分停止を受け、現在は免職前に勤務していた都内の高校に戻ったという。
男性教諭の主張が事実としても、携帯電話の履歴からも不適切なメールを出したことは間違いなく、職場復帰を目指して、なぜ熱心に支援を行う同僚がいるのか、会見では教職員の世界の“異質さ”が浮き彫りになった。
■懲戒処分は31人、すべて男性教職員
都教委のまとめによると、昨年度にわいせつ、セクハラ案件で懲戒処分になった教職員は31人に及ぶ。すべて男性で、うち16人は刑事事件になるなどして、免職・解職処分となっている。
児童・生徒が被害を受けたケースは10件。その内容は、、−など。
スマホの機能を使った事件が目立つ一方、言い分もひどく、都教委によると、盗撮の中学教諭の場合は「ストレスがあり、スリルに満足感を得ていた」。LINEの高校教諭は「立場をわきまえず、友人ののりで接してしまった」などと話したという。
また、「男子児童にキスをし、陰部を触る」「放送室で男子生徒の下半身を触る」など同性に対するわいせつも多く、男性教諭ら4人が処分された。うち1人は「自分にコンプレックスがあった」などと話していたといい、動機は不明瞭。都教委の担当者は「決して教員に同性愛者が多いとは思えないが…」と困惑している。
■教育実習生や保護者も被害
セクハラやわいせつのターゲットは、教育実習生や保護者にも及ぶ。
女子大生を居酒屋に呼び出し、「知り合いの老人に頼まれた。いま履いているストッキングを売ってほしい」などといい、トイレで脱がせた。いったんは断られたものの「コンビニで(新しいものを)買えばいいじゃないか」などと言って押し切ったという。
また、
校長らは不適切な関係については否定し、「はじめは自動車内で相談に乗っていたが、雪が降っていたので、落ち着いたところに移動したかった」などと述べたというが、処分を受けて依願退職している。この校長は部下の30代女性教諭に対しても「つきあってほしい」などの発言を繰り返すなどして、セクハラ被害を訴えられていた。
こうしたセクハラの類いは、校長ら比較的地位の高い人物によって起こされるケースが多い。教育実習生らは「断り切れないムードがあった」などと話しているといい、都教委では「子供や教員の模範となるべき立場でありながら、地位を利用し、そうした行為に及んでいるとすれば、ゆゆしき事態だ」としている。